【爆】bào(バオ)

はじけるような勢い
AHMAD FAIZAL YAHYA / Shutterstock.com はじけるような勢い、速度、熱さなどを食材に一気にぶつけて調理するのが「爆」です。

炎
爆とはまさにこんなイメージ。しかし、水爆や湯爆もあり、同じ爆でも料理の見た目・仕上がりは様々です。
みなさんが「爆」という漢字から思いうかべる言葉は何ですか?日本では、爆発、爆裂、爆弾、爆走など、音が出るほど激しいアクションに用いられていることが多いですよね。

中国語でも同様に、爆は「はじける」「炸裂する」といった意味合いがありますが、これを料理の中国語に用いると、熱い油や熱湯で瞬時に火を通す、という調理法になります。

そんな爆を代表する料理といえば「油爆蝦」。意訳すると「殻付き川海老の強火炒め」で、上海料理を代表する初夏の味。海老を高温の油で炒めて仕上げるため、「爆」の文字が入るのです。

また、爆の料理名を作る際には、何の食材をどのように「爆」させるかを示すため、メインの食材名だけでなく、それを爆する素材名を組み合わせます。例えば、油爆=強火を通す、水爆=熱湯を通す、湯爆=熱々の湯(tāng=スープ)をかけて火を通す、醤爆=醤(jiàng=味噌)を加えて強火を通す、葱爆=葱を加えて強火を通す、芫爆=芫菜(香菜)を加えて強火を通す…という感じ。何で爆するかが示してあれば、料理の食感や風味がイメージできますよね。

いずれにせよ、爆はジュワッという音とともに、立ち昇る香りが広がる、いかにも中華的な調理法。文字通りはじけるような美味しさの爆料理、お店で見つけたら、是非注文されてみてはいかがでしょう。

 


「爆」な料理

紅焼蹄膀公宝爆魷花
(爆×イカ×ピーナッツ
×ネギ×パプリカ)
紅焼獅子頭葱爆羊肉
(爆×ネギ×ラム肉)
公保爆鰻魚
(爆×うなぎ)
紅焼牛肉公爆鮮瑤柱
爆×貝柱

 


参考文献 『中國名菜譜東方編』中山時子 著(柴田書店 1973年)

Text 山田早苗


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