もちもち、カリカリの皮の秘密

内側はむっちりと歯切れよく、外側はゴマのおいしさも加わって香ばしく…。そんな「もちもち」と「カリカリ」、両方の食感が楽しめるのがごま団子の魅力。この独特の皮のおいしさは、どうやって作られるのでしょうか。

ポイントは2つあります。まず、1つ目が生地の作り方。もちもち皮というと白玉粉で作られることが多いですが、ごま団子にはそれに加えて、浮き粉で作った生地を合わせます。

浮き粉とは、蝦餃(海老蒸し餃子)や腸粉(ちょうふん)など、主に点心の生地に使われるもので、透明感のある、歯切れのよい食感が持ち味。2種類の生地を混ぜ合わせることで、生地がより軟らかくなり、生地の中に隙間ができなくなるため、揚げたときに破裂しにくくなるのです。

そして2つ目のポイントが揚げ方。まずはゴマ団子を油に入れたら触らずに、弱火でゆっくりと揚げていきます。なぜなら、最初から強火にすると、焦げやすいゴマは香ばしさを通り越え、あっという間にこげ茶色になってしまうから。油から取り出す直前だけ強火にして、表面をカリカリにすれば、冷めてもしぼまない、真ん丸のゴマ団子ができあがります。

 

 

料理:山崎 正(ホテルオークラ桃花林 日本橋室町賓館
撮影:2011年7月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:芝麻球(zhī má qiú / ヂー マー チィゥ)

ごま付き揚げ団子


Text 長谷川亜紀
photo 西田伸夫