2014年の春節(旧正月)は1月31日。日本でも毎年、各地の中華街が華やかなお祝いムードに包まれますね。その一方で、ちょうどこの時期は、空気が乾燥して風邪が流行りやすいのが困りもの。妊婦さんはもちろん、免疫力が低い赤ちゃんの風邪予防には気を使います。
そこで今回は、中国で「養生三宝」とされてきた白菜を使って、家族の身体を養生しつつ、中国の春節に欠かせない水餃子をイメージした一品をご紹介しましょう。

中国のお正月といえば旧正月。中国内で行われるどんなイベントよりも盛大に祝されるのが、この春節(チュンジエ)。2014年は1月30日から2月5日頃までが祝日となります。

そんな春節の風物詩といえば民族大移動。この時期は一斉に皆が故郷に帰り、家族や親戚とともに過ごすというのは有名な話です。今年は帰省のために汽車や長距離バスのチケットが取れず、午年だけに馬で移動した…なんてニュースもありましたね。

さて、その中国。北京を含む北方では、除夕(大晦日)から春節(元旦)にかけて、家族で餃子を包む風習があります。中国で餃子といえば水餃子。しかしながら、水餃子のもちっとした皮は手軽には作れず、日本では専門の皮を手に入れるのも難しいもの。そこで今回ご紹介するのが「白菜猪肉馄饨(バイツァィ ヂュロウ フントゥン)」、白菜と豚肉のワンタンです。

白菜は、11月から2月が旬の野菜で、今がまさに美味しい時期。その根は漢方薬にも用いられており、葱、生姜とともに煮出して飲むと、喉の炎症をケアし、熱さまし効果があると言われています。また、民間療法では、芯を煮た汁を飲んで風邪を予防することも。栄養素としてはビタミンCを含み、100g14kcalと低カロリーなのもうれしいところです。

一方で、身体を冷やす働きもありますが、身体を温める豚肉との組み合わせは味の面からも最適。ジューシーなお肉に白菜のシャキシャキとした食感もよく合います。ワンタンの皮を水餃子の皮に見立てて包んで、ぜひ中国の大晦日の気分を味わってみませんか。

白菜猪肉馄饨(白菜と豚肉のワンタン)

(白菜[báicài]=白菜 猪肉[zhūròu]=豚肉 馄饨[hún tún]=ワンタン

風邪予防の漢方薬にも使われる、白菜、葱、生姜を組み合わせた一品です。家族みんなで料理を楽しめるよう、ここでは手軽に包みやすいワンタンの皮を使用しました。今年の春節はみんなで水餃子パーティーならぬワンタンパーティーもいいですね。

【時 期】妊娠初期~妊娠後期
【季 節】冬
【栄養的メリット】ビタミンC(白菜) ビタミンB1(豚肉)

 

レシピ(2名分)

白菜  1枚(約115g)
豚ひき肉  130g
小ねぎ  15g(約10束分)
ワンタン皮  30枚(ワンタン皮は8×7.5センチのものを使用しています)
青菜  適量
[調味料]
 少々(小さじ1/6程度)
生姜すりおろしまたはペースト … 小さじ1/3
ごま油  小さじ1
醤油  小さじ1
 小さじ1
好みのタレ(酢醤油など) … 適量

 

■作り方

(1)ネギと白菜をみじん切りにしておきます。

ネギはこのくらいの細かさに切るといいでしょう。 。

(2)ボールに肉、塩、醤油を入れ、肉に粘りが出るまで混ぜた後、酒とごま油を入れ、白っぽくなるまで混ぜます。

(3)(2)に(1)と生姜を加えます。

(4)全体がよくなじむように混ぜ合わせます。

(5)ワンタンを好きな形に包みます。

(6)別の鍋に湯をわかし、青菜をさっとゆでておきます。

(7)鍋にたっぷりの湯を沸かし、ワンタンをゆでる。茹で時間の目安は2分です。

ゆではじめの様子はこちら。

ゆで上がりはこうなります。

(8)ゆで上がったら、ワンタンを取り出します。

ワンタンの中身はこちら。

(9)ゆでた青菜の上にをワンタンを盛りつけ、好みのタレでいただきます。

 

水餃子専用のタレ「水餃醤汁」

酢醤油以外にも、本格的な水餃子のタレを楽しみたい―――。そんな時におすすめなのが、この「水餃醤汁」。「味全」という台湾の大手食品メーカーの商品で、台湾旅行で購入して以来、我が家のお気に入りとなっています。ニンニクと香り高いお醤油の味がなんとも食欲をそそるこの味、以前ご紹介した「康寶の排骨湯塊」同様、台湾旅行のお土産としてイチオシです!

 


参考文献
『安胎键儿怀孕食谱』林秋香著 2010年 南海出版公司
『最新版 妊娠大百科』2012年 ベネッセコーポレーション

Text / Recipe / Photo 山田早苗