炸鏈

漢字表記 :炸鏈
日本語読み:ざーれん
中国語表記:炸链
北京語読み:ジャー リェン
発音記号 :zhá liàn

 

材料の油切り、湯切りに使用する調理器具。
炸鏈の「」は揚げもの、「鏈」は鎖の輪がが連なることを意味する。その字から読み取れる通り、揚げた食材を油からすくい出す時によく使われる。

 

【使い方】

鍋の中に広がっている食材をまとめてすくい上げたり、散らばりそうな食材をザーレンに乗せることで、一度に油通しすることができる。また、魚や鶏を丸揚げするときに、形を崩さずにすくい上げることができる。
揚げ物だけでなく、湯通しや湯切りにも同様に使える。

【形状と材質】

網式の炸鏈網式の炸鏈

浅めの中華鍋(片手鍋 / 北京鍋)に多数の穴を開けたような形が定番。取っ手が長く、すくい上げる部分が小さいものや、網の部分が油こしのように細かくなっているものなどバリエーションもある。
「鏈」の意味を考えると、網型のほうが本来の意味に忠実なように思えるが、一般的には鉄鍋に穴を開けた形が主流である。
材質は中華鍋同様、黒皮鉄を打ち出して作られたものや、ステンレス製がある。

 

【おすすめの形状】

中華鍋よりひと周り小さめのものを用意すると使いやすい。
ザーレンを鍋に沿わせるようにして入れると、食材を取りこぼさずに一度に扱うことができ、揚げ過ぎやゆで過ぎを防げる。
中華鍋よりも極端に小さいものは、何度もすくわなければならないことから、編集部では定番タイプを心からおすすめしたい。

 

【製造メーカー】

株式会社カンダ

鉄製の打ち出しザーレンをはじめ、食材がこぼれにくい深型タイプ、外側はステンレス板で中心は油こしタイプのステンレス網など、多彩なザーレンを製造している。

 


【関連項目】

 

『Mr.Boo!ミスター・ブー』
(原題:『半斤八两』1976年、日本公開1979年)

カンフー映画の巨星、ブルース・リーが急逝した後、ジャッキー・チェンがブレイクする前夜に、下火となった香港映画界に再び火をつけたコメディー映画。
日本のアラフォー以上男子なら誰もが炸鏈(ジャー・リェン)の存在を知ることとなった作品であろう。
香港映画史に残るその名シーンは0:32〜0:34。まばたき厳禁。Don’t miss it !

ザーレンオイル

ザーレン・コーポレーション株式会社(本社:大阪)が発売する高品質のエンジンオイル。調理器具のザーレンとは無関係のようであるが、油つながりということに炸鏈との縁を感じずにはいられない。
社名の英語表記が ZAHREN CORPORATION であることから、自動車王国ドイツにある地名 Zahren(ツァーレン)と何らかの関係があるのか気になるところであるが、この調査中にドイツ語の Zahlen, Bitte.(ツァーレン ビッテ)が「お勘定お願いします」であることが判明し、こちらの情報のほうが当サイトユーザーにとっては有益であろう。ドイツ旅行で食事をしたときは、最後にツァーレン!(お勘定!)

 

ヤーレン

北海道民謡ソーラン節の歌詞「ヤーレン ソーラン」のヤーレンは、ヘブライ語で読み解くと「喜び歌う」であり、ソーランは一人の歌い手と解釈できるとの説がある。合わせると「一人で喜び歌う」とのこと。さらに「チョイ ヤサエ エンヤンサー ノドッコイショ」は「たとえ嵐がこようとも 真っ直ぐに進め」になるのだとか。

 


【脚注・出典】

『中国食文化事典』中山時子 監修(角川書店 1988年)
「日本とユダヤのハーモニー」~ソーラン節はヘブライ語の行進賛歌だった!~


Research: Xiao Shan-Mian & Chuka Lovers(シャオ・シャンミェンと中華ラバーズ)