円卓

表記   :蓋碗
日本語読み:がいわん
中国語表記:盖碗
北京語読み:ガイ ワン
発音記号 :gài wǎn

 

読んで字のごとく蓋(フタ)付きの茶碗であるが、茶托(受け皿)も含めた3点セットのことを指す。

三才碗とも呼ばれ、蓋を天、托を地、碗を人とする、天地人に見立てられ、片手に乗るほどの茶器の中に、宇宙の調和という壮大な思想が込められているあたりが、何とも中国っぽい。

そのまま茶葉を入れて、碗と蓋をずらして茶葉を押さえることで、茶杯(湯呑み)にもなるし、ここから茶杯に注ぎ分ける茶壺(急須)としても使うこともできる。また、蓋で聞香杯のように香りをかぐこともできるという、万能茶器である。

蓋碗の歴史

唐代(780年ごろ)に茶托にあたるものができ、それが蓋碗へと発展したとされる。
しかし、盛んとなったのは清代(1636~1912)の宮廷・貴族に好んで使われるようになってからであり、その後一般へと広まったため、中国の喫茶史の中では比較的歴史は浅い。
現代では四川省や雲南省で、蓋碗に茶葉以外にもクコ、ナツメ、氷砂糖などを入れて飲む蓋碗茶が好まれている。

蓋碗での中国茶の淹れ方

茶器を温める
[1]蓋碗に熱湯を注ぎ、蓋をしてお湯を茶海、茶杯へと移し温めます。

茶葉を入れる
[2]蓋碗に約3g程度の茶葉を入れます。

香りを楽しむ
[3]このとき、蓋を押さえ、蓋碗を軽く振ると、茶葉の香りを楽しめます。

蒸らす
[4]熱湯を蓋の位置まで注ぎ、1分間程蒸らします。

茶海へ注ぐ
[5]蓋をずらし、茶海へ注ぎます。

茶杯に注ぐ
[6]茶海から各茶杯に注ぎいただきます。繰り返し5~6煎お楽しみいただけます。


【脚注・出典】

『お茶の愉楽 中国茶・台湾茶』有本香 著(池田書店 2003年)
大陸茶専門サイト清福居「蓋碗のススメ」
Tea Recipe「蓋碗の謎」
朝日新聞「中国茶道具ばなし(3)」
維基百科「盖碗茶」(wikipedia中国語版)
茶藝筆記「蓋碗茶文化」(中国語サイト)


Research: Xiao Shan-Mian & Chuka Lovers(シャオ・シャンミェンと中華ラバーズ)